2017-12-22 目 今を生きずに いつを生きるというの すべての色は 音にかわり 香りにかわる すべての色は 限りなく美しい音色で応えてくれる たとえ本を読むことができなくても 木々の間をぬけて吹く風が ページをめくり 私に 優しく物語を きかせてくれる そして 人の命を 花のようにつみ取る 死さえも もはや 私の目を つみとることはできない リルケ『盲目の女』より