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今を生きずに いつを生きるというの

 

すべての色は 音にかわり 香りにかわる

 

すべての色は 限りなく美しい音色で応えてくれる

 

たとえ本を読むことができなくても

 

木々の間をぬけて吹く風が ページをめくり

 

私に 優しく物語を きかせてくれる

 

そして 人の命を 花のようにつみ取る 死さえも

 

もはや 私の目を つみとることはできない

 

リルケ『盲目の女』より